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Gap Inc.—Women and Opportunity (Japanese Version)

2016年カタリスト・アワード受賞者

テーマ:組織的変革タレントマネジメント女性のリーダーシップ

リサーチセンター:企業事例

日時:2016年1月21日

女性と機会」は、Gap Inc.のグローバルなイニシアチブと戦略で、社員、顧客、サプライチェーンの
従業員、さらには地域社会の女性など、女性に関連したGap Inc.のすべての取り組みを統合する
ものです。Gap Inc.はそもそもドリス・フィッシャーとドン・フィッシャー夫妻が共同で設立したことで
示されているように、Gap Inc.の歴史と成功にとってジェンダー平等は常に重要な役割を果たして
きました。2007年、Gap Inc.のリーダーたちはより意識的にこの問題に取り組み、ジェンダーへの
焦点を戦略的に一層強化し、女性のリーダーシップを促進するプログラムを各地域で増やしました。
さらに、既存のダイバーシティとインクルージョンの取り組みを再編成して組織全体にわたって
より体系的に統合し、社員の生活にプラスの影響を与えています。

Gap Inc.のジェンダー・インクルージョンは、ダイバーシティ向上における特定の課題解決を狙った
ものではないという点で独特のアプローチです。そのアプローチは、Gap Inc.が長年にわたり築き
上げてきた平等とインクルージョンの文化を、優秀な人材を呼び込み、世界各地で女性を積極的
に活用し、社員の参画と定着率を向上させ、業績を上げるためのビジネスツールとして活用する
ものです。Gap Inc.の戦略は主に以下の取り組みからなっています。

  • ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)評議会:各部門の役員が、人事部や「現場の」リー
    ダーと緊密に連携して活動しています。D&I評議会は、社員リソースグループ(ERG)など
    の草の根の活動を通じた社員の参画により、会社のダイバーシティとインクルージョンに
    関わる戦略の方向性を決めます。また、実績に基づいた成果主義給与体系の整備、組
    織全体の賃金平等性分析などの領域においては他の部門とも連携します。「グローバル
    に考え、ローカルに行動する」が評議会のアプローチであり、女性に関する戦略を地域や
    機能を超えた共通の分野と位置付けています。
  • 採用、人材育成、研修:これらの活動は、地域、ブランド、機能、そして社員のニーズに応
    じて実施しています。NPOやコミュニティ・カレッジとの連携、新入社員対象の現場能力開
    発プログラム、ASCENDやICONなど将来有望な人材を対象にしたブランド横断的な開発
    カリキュラムなどがあります。
  • ワーク・ライフと柔軟性:ワークとライフの最適化は、全社員が各自の力を最大限に発揮し、
    生活と仕事の両面での充実を図ることを支援する基本的な戦略です。2009年に試行し
    た「結果志向の職場環境(ROWE™)」は社員の生産性向上、責任と参画の強化につなが
    りました。それ以降、各種の柔軟な勤務体制が組織全体で実施されています。柔軟な勤
    務体制の導入により、例えば日本のように実際にその場に居て仕事をすることが重んじ
    られがちな地域でも、居ることよりも結果を出すことを重んじる文化が醸成されました。
  • 地域社会と企業の社会的責任:Gap Inc.の社会活動はダイバーシティ戦略と密接に統合
    され、職場と地域社会の改善に貢献しています。地域に根差したボランティア活動や社会
    活動に加えて、P.A.C.E.(Personal Advancement & Career Enhancement:個人の成長
    とキャリア向上)というプログラムでは、縫製工場で働く女性に生活のスキル、教育、技術研修
    を提供しています。P.A.C.E.は現在、世界11カ国にある70の工場で展開されています。
    2007年以降これまでに3万人を超える女性がこのプログラムに参加しましたが、2020
    年までに100万人の参加を目指しています。

Gap Inc.が長年にわたりインクルージョンに取り組んだ結果、大きな具体的な成果がありました。
2007年から2015年の間に、バイスプレジデントレベルの女性の割合が世界全体で44.0%から
49.7%に増加しました。アメリカでは、全社員中の有色女性の割合が28.0%から34.4%に、
ストアマネージャー、マネージャー、シニアマネージャーレベルでは、その割合が20.4%から23.
9%に増加しました。CEO直属の最上級幹部に占める女性の割合は33.0%から77.0%に増加し、そのうち10人に4人は有色女性です。さらに、2010年から2015年の間に取締役会に占
める女性の割合は10.0%から36.0%に増加しました。